9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。
とはいえ、少しずつ朝夕の気温が下がってきて、寒暖差に体調を崩したり、
お肌の乾燥も出てくる人がちらほら。
イネ科の花粉アレルギーで、お顔や首などに出る花粉症皮膚炎や、
アレルギー性鼻炎の患者様も増えてきました。
アトピー性皮膚炎の患者様は特に、季節の変わり目に皮膚のバリア機能が落ちて、
虫刺されや汗かぶれ、花粉症皮膚炎からとびひになり、
痛みや痒みに悩まされる方が増えてきます。
この時期をうまく乗り越えるために、予防策として保湿剤の使用や、
なるべく浴槽に浸かって血流を保つこと、良質な睡眠をとることを気をつけてくださいね。
近年、難治性のアトピー性皮膚炎に抗体医薬という治療方法が
一般的に使われるようになってきました。
一番広く普及しているお薬がデュピクセントという注射薬です。
アトピー性皮膚炎は外用薬を使用しても良くなったり悪くなったりを繰り返す、
慢性的に炎症が続く皮膚の病態をいいます。
デュピクセントは生後6ヶ月以上、体重5kg以上のアトピー性皮膚炎で、
半年以上標準治療を行なっても皮膚炎のコントロールがつかない方に
注射で体内から皮膚の炎症をコントロールし、皮膚のバリア機能を整え、
アトピーを寛解へ導くために行う治療です。
通常成人は2週間間隔で注射を行い、1〜数年に渡り継続します。
寛解に至ったあともしばらくは寛解維持のために、治療を継続することが必要です。
導入初期は通院にて注射を行いますが、状態が落ち着いていて問題がない場合は、
3回目の注射のタイミングから、患者さんご自身で注射を行う「自己注射」が可能です。
それにより、通院日を減らして、自宅で注射を行うことができるので、
学校や仕事への影響を減らすことができます。
自己注射が問題なく行えるように、当院では看護師による指導を行っております。
デュピクセントをはじめとするこれらの注射薬は、価格が非常に高いことがネックとなります。
成人への投与、デュピクセント300mgペン型の場合1本当たり61,714円。3割負担で18,514円。
初回投与は2本のため3割負担で37.028円です。
メリットは、保険適用の治療であること、そして、まとめて数ヶ月分処方する場合は
高額療養費制度を利用するなどの公的な支援を受けることが可能です。
稲沢市では高校3年生の卒業までの期間の医療費は市の子ども医療助成の対象となりますので、
無料となります。
高額療養費制度は世帯収入や加入している健康保険組合によっても変わるので、
治療を検討する前に予め健保に問い合わせておくと良いでしょう。
4月から治療を開始し、半年足らずでたくさんの患者様の痒みやアピアランスの悩みが解決され
喜びの声をいただいております。
当院では、火曜日午前の村瀬医師が、豊富な治療経験をお持ちで、予約外来を行っています。
アトピー性皮膚炎にお悩みの患者様で抗体医薬治療にご興味のある方は、そのご家族の方も、
まずは診察にいらっしゃってください。