にきび・にきび跡
皮膚科で治療が必要な方
ニキビの治療は、洗顔とスキンケアが基本となります。それで治らない方には、皮膚科の受診をお勧めしています。にきびができやすい人の中でも治療が必要なのは「にきび跡が治りにくい人」です。
にきび跡が3カ月後もずっと残るような人は、古いにきびと新しいにきびが混ざり合って、顔が赤みをおびていきます。皮膚も固くなり、治った跡にクレーターのような瘢痕を残します。
そうならないために、次のニキビを作らない治療が必要です。そのような方に皮膚科の受診をお勧めしています。
できやすいかた
にきびは、毛穴の詰まりが原因で起こります。夏場は、脂が毛孔を塞いでしまう状態。冬場は、汗腺の周りが乾燥して毛孔が閉じてしまいます。肌質が脂性の場合、夏場や、季節の変わり目にニキビができます。逆に乾燥肌の場合、冬場になりやすい傾向があります。
思春期のころは、脂が増え始めるのでニキビができやすくなります。また、20代から30代の方でも、ホルモンバランスやストレスなどが原因で、大人にきびができます。
市場でもスキンケア用品は色々なものがあり、肌質に合わせて選ぶ必要があります。当院では、サンプルを多数ご用意していますので、お気軽にお申し出ください。医療機関限定の機能性化粧品も用意しております。段階やニーズに応じて、お選びいただけます。
予防策
ニキビ予防には、洗顔とスキンケアのほか、夜更かしをしないことや甘いものを控えるなど、生活習慣や食生活の改善がポイントになることがあります。
皮膚の栄養を保つために、彩りのよいバランスのとれた食事を取りましょう。食事で足りない栄養素は、ビタミン剤などでカバーできますのでご相談ください。
入浴の際、シャンプーやコンディショナーが肩や背中に残って、毛穴を詰まらせる可能性があります。シャンプー、コンディショナー、顔、体の順番で、上から順に汚れを落として洗いましょう。
ニキビができたときにやってはいけないこと
自分でいじったり、むやみやたらと潰す行為は厳禁です。かえってニキビ跡を残す原因になるので行わないでください。
ニキビを潰す行為そのものが悪いわけではありません。病院でも膿んでしまっているニキビを潰しますが、適切な処置で、角栓や膿などを取り出します。自分で潰すと表面の皮膚が荒れてしまい、内部の深い部分は残ってしまうことがあります。かえって炎症を広げて大きなにきびになり、それが跡として残ってしまいます。
にきび・にきび跡【クリアタッチS】
治療法
当院で人気のニキビ治療法です。
クリアタッチは、フラッシュライトという光と赤外線効果で、アクネ菌を殺菌したり、脂っぽさを解消する治療器具です。ニキビそのものだけでなく、にきび跡を早く治す効果も期待できます。
副作用としては、少し赤みが出る程度で、1~2時間もすれば、赤みは引いていきます。
週1回の治療で最低10回を目安に行います。
赤みの残ったニキビ跡には薬が効かないので、クリアタッチがおすすめです。
当院ではクリアタッチは、顔に限り保険適用治療です。
治療できる方
小学生から大人の方まで、男女年齢問わず受けられます。日光過敏の方にはご遠慮いただいています。
治療期間
10回をめどに施術を受けていただきます。
1回の治療は大体15分ほどで、週1回ずつ継続することで、より高い効果が生まれます。
痛みについて
多少熱があり、あったかい程度の熱なので、痛みはありません。
重症ニキビの内服治療(自費診療)
アクネトレント(イソトレチノイン)を内服される方へ
イソトレチノインはビタミンAの一種で、皮脂の過剰分泌を抑えるとともに、抗炎症作用もあるとても優れた成分です。これまでのニキビ治療で改善がみられなかった難治性ニキビ、繰り返しできるニキビに対して高い治療効果が期待できます。
日本では保険適応外ですが、アメリカ、カナダなど数多くの国のニキビ治療のガイドラインでその有効性が証明されています。
治療開始まで
イソトレチノイン治療を受けていただく場合、安全に治療を進めるため、事前に血液検査を受けていただきます。血液検査の結果で安全に内服していただけると判断できた場合、イソトレチノインによる治療を開始いたします。
【治療内容】
イソトレチノインを1クール16~20週間内服を続けていただくことを推奨しています。イソトレチノインは、内服をやめても改善効果が続くことがほとんどですが、ニキビが再発するようなら、症状を診ながら再度内服を行います。治療を開始してから1ヶ月後、血液検査も行い、副作用の問題がないかしっかりと診察を行います。
【治療期間中の注意事項】
日焼け止めをしっかり使用してください。乾燥の副作用がありますので、保湿をしっかりとしてください。くちびるや手のひらの乾燥が多く起こります。
妊娠中、授乳中の方の使用は厳禁です。また、内服前後1か月は男女ともに避妊が必要です。
アルダクトンA(スピロノラクトン)を内服される方へ
スピロノラクトンによる抗男性ホルモン作用により「過剰な皮脂分泌を抑制」して、ニキビを治療します。
日本ではニキビには保険適応外ですが、多くの国で難治性の女性ニキビの治療としてガイドラインでも推奨されています。
治療薬のスピロノラクトンは、むくみ治療などの利尿薬として厚生労働省に承認されています。
女性の方の生理周期で増悪するニキビや背部や胸の広範囲の治りにくいニキビに効果があります。
安全に内服していただくため、内服開始前と内服1か月後に血液検査を行います。
100~200㎎から治療を開始します。経過を見ながら内服量を増減します。
治療開始後は一時的な増悪をすることがあります。
治療をやめても再発しなくなることもありますが、3人に2人程度は再発をします。
再発時は治療を再開します。
50~100㎎での少量維持治療を継続して再発しないようにコントロールすることもあります。
副作用として、倦怠感、乳房腫脹、月経不順、無月経などが起こりえます。副作用のあった場合、すみやかに受診してください。
なお、下記の項目に該当する方は内服できません。
妊娠中、授乳中
【禁忌】腎障害がある
【禁忌】高カリウム血症
【禁忌】アジソン病(副腎不全)
【禁忌】タクロリムス(商品名:プログラフ)、ミトタン(商品名:オペプリム)、エプレレノン(商品名:セララ)を投与中
【禁忌】スピロノラクトンにアレルギーがある
心疾患や、脳動脈硬化症がある
減塩治療中
肝障害がある